📌 この記事でわかること
- つみたて投資枠と成長投資枠の違いと年間上限
- 生涯投資枠1,800万円と「枠の再利用」の仕組み
- 2026年時点の最新ルール(金融庁の公表情報)
- どちらを先に使えばいいかの判断基準
- 初心者向けのシンプルな活用方法
「新NISAを始めようと思ったら『つみたて投資枠』と『成長投資枠』があって混乱した…」という方へ。今回は2つの枠の違いをわかりやすく解説します。記事内の数字は、金融庁の公式情報で確認した2026年9月時点のものです。
2つの枠、何が違うの?
ゆい
新NISAって『つみたて投資枠』と『成長投資枠』があるって聞いたけど、どっちを使えばいいの?
たくや
まずは違いを整理しようね。簡単に言うと、つみたて投資枠は『コツコツ長期投資向け』で、成長投資枠は『自分で選んで投資したい人向け』だよ。
ゆい
つまり初心者はつみたて投資枠から始めればいいってこと?
たくや
その通り!まずはつみたて投資枠から始めるのが王道だよ。これはリスク(不確実性)を正しく管理しながら資産を増やす方法として、多くのFPが推奨しているんだ。
数字で比べる早見表(金融庁の公表情報より)
| 比較項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 2つの枠の併用 | できる | できる(2つ合わせて年間360万円まで) |
| 生涯投資枠(非課税保有限度額) | 2つの枠の合計で1,800万円 | 1,800万円のうち1,200万円まで |
| 枠の数え方 | 買った金額(簿価)で管理。売ると翌年以降に簿価分が復活 | 同じ(簿価で管理・翌年以降に復活) |
| 非課税で持てる期間 | 無期限 | 無期限 |
| 投資対象 | 金融庁の基準を満たした投資信託・ETFのみ | 上場株式・投資信託・ETF・REITなど(整理・監理銘柄、信託期間20年未満や毎月分配型の投資信託などは対象外) |
| 商品数 | 368本(2026年9月7日時点・金融庁公表) | 投資信託だけで約2,300本(資産運用業協会のリスト・2026年9月11日更新)+上場株式など |
| 投資方法 | 積立のみ | 積立・一括どちらも可 |
| 使える人 | 日本に住む18歳以上(利用する年の1月1日時点) | |
| 向いている人 | 投資初心者・長期投資したい人 | ある程度慣れた人・個別株も買いたい人 |
※年間投資枠・生涯投資枠・非課税期間などの制度の数字は、金融庁「NISA特設ウェブサイト」で確認しています(2026年9月13日確認)。
ゆい
同じ年に両方の枠を使ってもいいの?
たくや
うん、1つのNISA口座の中で両方使えるよ。合計で年間360万円まで。ただ、枠を毎年全部埋める必要はまったくないからね。自分のペースでOKだよ。
初心者はどっちを使えばいい?
ゆい
正直、どっちから始めればいいかわからない…
たくや
迷ったら『つみたて投資枠』一択でOKだよ。金融庁が厳選した投資信託しか買えないから、変な商品を間違えて買う心配がない。長期に向かない高コスト商品が自動的に除外されてるんだ。
ゆい
金融庁が厳選してるなら安心!具体的に何を買えばいいの?
たくや
代表的なのは『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』通称オルカン。これ1本で世界中の株式に分散投資できる、まさに初心者向けの商品だよ。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):世界中に分散投資できる定番商品
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):アメリカの代表的な約500社に投資。これまでの長期リターンが高かった商品(将来の成績は約束されません)
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド:楽天証券ユーザーに人気
結論:迷ったら「つみたて投資枠」で、オルカンのような低コストの投資信託を毎月コツコツ積み立てるのが正解です。つみたて投資枠の商品は、持っている間にかかる手数料(信託報酬)に法令上の上限があり、金融庁の集計では指定インデックス投資信託の平均が国内型で年0.27%(上限0.5%)、海外型で年0.34%(上限0.75%)です(税抜き・2026年9月7日時点)。信託報酬の目安は「信託報酬とは?目安と20年後の差をわかりやすく解説」で詳しく紹介しています。
まだNISA口座を持っていない方は、まず口座づくりから始めましょう。
※広告を含みます。すでにNISA口座をお持ちの方は、いまの証券会社のままで両方の枠を使えます。
生涯投資枠1,800万円と「枠の再利用」
ゆい
年間の上限はわかったけど、『生涯投資枠1,800万円』っていうのもよく聞くよね?
たくや
それが一生のうちに非課税で持てる上限なんだ。つみたて投資枠と成長投資枠を合わせて1,800万円。そのうち成長投資枠で使えるのは1,200万円までだよ。
ゆい
1,800万円を使い切ったら、もうおしまい?
たくや
そこが新NISAのいいところで、売ったら翌年に枠が戻ってくるんだ。これを『枠の再利用』っていうよ。
1,800万円の使い方の組み合わせ例
| パターン | つみたて投資枠 | 成長投資枠 | 合計 |
|---|---|---|---|
| つみたて投資枠だけ | 1,800万円 | 0円 | 1,800万円 |
| 成長投資枠を上限まで | 600万円 | 1,200万円 | 1,800万円 |
| 成長投資枠だけ | 0円 | 1,200万円 | 1,200万円(残り600万円はつみたて投資枠でのみ使える) |
年間の上限は2つの枠を合わせて360万円なので、最短で5年(360万円×5年=1,800万円)で生涯投資枠を使い切れる計算です。もちろん、無理に使い切る必要はありません。
枠の再利用:具体例で見るとこうなる
ポイントは、枠は時価(今の値段)ではなく「買ったときの金額=簿価」で数えることと、枠が戻るのは売った年の翌年以降であることの2つです。
| ケース | 何が起きるか |
|---|---|
| 例1:2026年に成長投資枠で100万円分買い、同じ2026年に売却 | 2026年の年間投資枠は戻らない(成長投資枠の残りは140万円のまま)。2027年に生涯投資枠が100万円分復活 |
| 例2:100万円で買った商品が150万円に値上がりして売却 | 翌年に復活するのは簿価の100万円(150万円ではない) |
| 例3:100万円で買った商品が70万円に値下がりして売却 | 翌年に復活するのは簿価の100万円(70万円ではない) |
なお、復活した枠を使うときも、1年間に買える金額は年間投資枠(つみたて120万円・成長240万円)の範囲内です。また、値下がりしたときに慌てて売るのはおすすめしません。考え方は「NISAで損したらどうする?売ってはいけない理由と対処法」にまとめています。
ゆい
売っても枠が戻るなら、使い切るのが怖くなくなった!
たくや
ただ、枠を戻すために売り買いを繰り返す必要はないよ。長く持ち続けるのが基本。枠の再利用は『本当にお金が必要になったとき』の安心材料くらいに考えておこう。
2026年時点の最新ルール(金融庁の公表情報まとめ)
2026年9月時点で、金融庁・財務省・国税庁の公表資料で確認できたルールをまとめます。
- 年間投資枠:つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円(併用で年間360万円まで)
- 生涯投資枠:1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)。簿価で管理し、売却した分は翌年以降に復活
- 非課税で持てる期間:無期限。口座を開ける期間も恒久化(期限なし)
- 使える人:日本に住む18歳以上(利用する年の1月1日時点)
- つみたて投資枠の対象商品:368本(2026年9月7日時点。指定インデックス投資信託287本・それ以外の投資信託72本・ETF9本)。2026年度税制改正で対象の指数に加わった「読売333」「JPXプライム150」に連動する投資信託も、すでに一覧に入っています
- 【2027年1月から】0〜17歳もつみたて投資枠を使えるように:年間60万円・上限600万円。12歳以降は子の同意など一定の要件のもとで払出しができ、18歳になると自動的に大人のつみたて投資枠へ移行します(2026年3月31日公布の法改正で決定)
- 2023年までの旧NISAで買った商品:新NISAとは別枠で管理され、旧制度のルールのまま非課税
ゆい
2027年からは子どもも使えるようになるんだ!
たくや
そうなんだ。ただ、まだ始まっていない制度だから、申し込み方法などは各証券会社の今後の案内を確認しよう。大人の年間枠や1,800万円の上限は今のところ変わっていないよ。
👉 子ども向けの仕組み(2026年10月の申込み受付・年60万円・12歳からの払出しルール)は、こどもNISAとは?2026年10月受付開始・年60万円の仕組みと始め方でくわしく解説しています。
月いくらから始めればいいの?
ゆい
月いくらから始めればいいの?いきなり大きな金額は怖い…
たくや
最初は月1,000円から始めてOKだよ。『少額から始めて値動きに慣れる』のが正しい順番。慣れてきたら金額を増やしていけばいい。
ゆい
月1,000円なら今日からでも始められる!
たくや
そうそう。大事なのは『始めること』だよ。怖いから何もしないままだと、時間を味方につけるチャンスを逃してしまう。正しく理解して始めれば、しっかり資産形成ができるよ。
| 月の投資額 | 20年後の想定資産(年利5%の場合) | 年利7%の場合 |
|---|---|---|
| 月1,000円 | 約41.1万円 | 約52.1万円 |
| 月5,000円 | 約205万円 | 約260万円 |
| 月10,000円 | 約411万円 | 約521万円 |
※毎月積み立て・月1回の複利で計算した概算です。手数料は含まず、将来の成績を約束するものではありません。
まとめ
ゆい
なんか新NISAって思ったより難しくないかも!まずはつみたて投資枠から始めてみます!
たくや
その意気!口座開設は無料だから、まずSBI証券か楽天証券でNISA口座を作るところから始めよう!
※楽天証券のボタンは広告を含みます。
よくある質問
つみたて投資枠と成長投資枠は同じ年に両方使える?
使えます。2024年からの新NISAでは2つの枠を併用でき、1年間に最大でつみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円=合計360万円まで投資できます。どちらか一方だけを使ってもかまいません。
生涯投資枠1,800万円はどう数える?
時価ではなく「買ったときの金額(簿価)」で数えます。値上がりしても枠は減りません。1,800万円のうち成長投資枠で使えるのは1,200万円までで、つみたて投資枠だけで1,800万円を使うこともできます。売却した場合は、翌年以降に売った商品の簿価分だけ枠が復活します。
旧「つみたてNISA」と新NISAの「つみたて投資枠」は何が違う?
2023年までのつみたてNISAは、2024年から新NISAのつみたて投資枠に引き継がれました。年間の上限は40万円から120万円(3倍)に増え、非課税で持てる期間も20年間から無期限になりました。2023年末までに旧つみたてNISAで買った商品は、新NISAとは別枠で、旧制度のルールのまま非課税で持ち続けられます。
2026年時点で、金融庁が公表しているNISAの最新の変更点は?
年間投資枠(つみたて120万円・成長240万円)や生涯投資枠1,800万円、非課税期間が無期限という基本ルールは、2024年の開始時から変わっていません。読者に関係の深い変更は2つです。1つ目は、つみたて投資枠の対象商品が368本(2026年9月7日時点)となり、「読売333」「JPXプライム150」に連動する投資信託も選べるようになったこと。2つ目は、2027年1月から0〜17歳もつみたて投資枠を使えるようになること(年間60万円・上限600万円。2026年3月31日公布の法改正で決定)です。